清和文楽とは

文楽とは
「文楽」とは、一般に日本の伝統芸能である人形劇の人形浄瑠璃を指す代名詞です

人形浄瑠璃「文楽」は、日本を代表する伝統芸能の一つで、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。

文楽のなりたちは江戸時代初期、歌舞伎とほぼ同時期といわれています。 浄瑠璃という語り物と人形が結び付き、やがて竹本義太夫の義太夫節と近松門左衛門の作品により人形浄瑠璃は大人気を得て、全盛期を迎えます。 その後いくつもの人形浄瑠璃座が盛衰を繰り返しましたが、幕末に植村文楽軒が大阪で始めた「文楽座」が有力となり、文楽という呼び名が一般的になりました。

太夫

舞台の上手(舞台向かって右側)の出語り床で浄瑠璃を語ります。 情景描写に始まり、様々な登場人物の喜怒哀楽を表現し、基本的には一人で物語を語ります。 浄瑠璃にはいくつかの種類がありますが、文楽では義太夫節を用います。

三味線

太夫の隣で「太棹(ふとざお)」と呼ばれる三味線を演奏します。 文楽における三味線は、単なる太夫の伴奏ではなく、繊細な音から豪快な音まで幅広い音色を出し、物語を描き出します。

人形遣い

基本的に三人で一体の人形を操ります。 首(かしら)と右手を操る「主遣い(おもづかい)」、左手を操る「左遣い」、足を操る「足遣い」。 人形遣いによって生かされた人形は、時に人間以上に豊かな表情を見せます。
「清和文楽」とは、人形浄瑠璃の一つで熊本県を代表する農村芸能です
 

「清和文楽」のはじまり

衣装虫干し

 清和文楽は江戸時代末期の嘉永年間(1850年ごろ)、山都町(旧・清和村)を訪れた淡路の人形芝居の一座から浄瑠璃好きな村人が人形を買い求め、技術を習ったのが始まりです。清和文楽の一座は農家の人々で構成され、純粋な楽しみとして地域のお宮の農村舞台で奉納芝居を上演したり、各地の行事に招かれたりするなどして、伝承してきました。明治時代末期頃に一時期衰退しますが昭和元年に入り復活し、昭和35年に文楽人形の技術保持者(2名)が熊本県無形文化財に指定されました。

「清和文楽」人形芝居は、現在熊本県に残る唯一の人形浄瑠璃芝居です

保存会稽古

往時の保存会

翁様

翁様まつり

農作業をする保存会のメンバー

野村亀市太夫碑

 清和文楽興隆の尽力者野村亀市太夫没後、昭和40年代に太夫三味線が途絶え、時代の変遷も重なって上演する機会が少なくなっていきました。昭和54年、清和文楽人形芝居が熊本県の重要無形文化財に指定されたのを機会に、「文楽の里」をキャッチフレーズにして、村おこしで清和文楽の再生を期しました。 平成4年、清和文楽の伝承と地域の活性化を目的に九州唯一の人形浄瑠璃専用の劇場「清和文楽館」が建設されました。平成6年には太夫・三味線が復活。その後毎年200回前後の公演を行っています。

人形を大きく動かす

農村舞台(国指定有形文化財)での公演

 淡路の人形芝居の一座から人形を買い求め、技術を習ったのが清和文楽の始まり。ですから、清和文楽は、淡路の人形浄瑠璃と同じように人形の手振り身振りが大きいのが特徴です。阿波淡路系といわれるものは、農村舞台や仮設舞台を巡業していました。これらの舞台ではかがり火やロウソクなどの明かりが少なかったため、観客が見やすいように人形の身ぶり手ぶりを大きくするための工夫をすることになったと言われています。

国選定保存技術者(人形師)故・大江巳之助氏

往時のかしら

現在保管されているかしら

 清和文楽の人形の頭を昭和30年代から修理を依頼してきた徳島県鳴門市の国選定保存技術者(人形師)の故・大江巳之助氏は、清和文楽の公演を見て「芸熱心な山里の人々が代々よく習い伝えたものと感心する。古風で素朴、大きな動きに国々を廻った淡路の技が伺える。」という感想を述べ、頭の特徴については「天狗久のものが数点ある他は九州の細工人の作である。中田林太郎、夏田武次郎、矢野喜八等の細工人の名を知ることが出来た。それぞれお芝居をよく知っての作りで役の性根を心得て、私たち職人の及び得ぬ力強さ、素朴さがあるために、かえって舞台で情感が出る。頭の大きさ、様式から考えて、明治初期のものが多い。」と語っています。

出張公演、海外公演も多数

 1992年に「清和文楽館」が開館され、ここを拠点に清和文楽の保存伝承活動に取り組んでいます。また、各地での出張公演も行なっており、遠くはアイルランド、イタリア、韓国など三度に渡る海外公演も行なっております。

イタリア公演でのふれあいタイム イタリアでは全8回の公演が行われ、 連日満員の賑わいをみせた
清和文楽館 The Museum Seiwa Bunraku
営業時間 / 9:00〜16:30
休館日 / 毎週火曜日(祝祭日は開館)
    メンテナンスを行う日
Hours / 9:00 to 16:30
(Open on public holidays)Tuesdays Closed
 Day of maintenance Closed

お問合せ先 / 清和文楽館【道の駅 清和文楽邑】

                   熊本県上益城郡山都町大平152

                      電話:0967(82)3001

                  ファックス:0967(82)3002

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